絶望的観測
3月11日の地震でわたしの住む福島県福島市も停電・断水といった被害があったとはいえ、岩手、宮城、福島県の浜通りに比べればどれほどのこともありませんでした。今、近くの支所には浜の方から150名ほどが避難してきています。今日は少し暖かかったですが、朝はまだ氷点下になることもあり厳しい生活を強いられている人たちのことを思うと申し訳ない気持ちになります。
今日、枝野官房長官の会見で絶望的な発表がありました。福島県の原乳と茨城県のホウレンソウから、食品衛生法の暫定規制値を超える放射性ヨウ素が検出されたというもの。
原発が危機的状況となって以来、原発から100km以上離れた福島県会津地方の野菜ですら市場では敬遠されていたそうです。会津の放射線量は東京よりもずっと少ないくらいです。それでも「福島県産」と付いた時点でどれも一緒くたに“汚染”食物扱いされます。いわゆる風評被害ですが、今回の発表でその流れはいっそう加速していくことが確定しました。
消費者が今回の地震のことを忘れるまでは、福島県産の農産物はいっさい売れなくなるでしょう。勿論、検査をして安全の確認をするのは当然ですが、そんなこととは関係なくイメージだけで消費者からは拒否されます。いや消費者以前の卸しが買ってくれないでしょう。
じっと一年辛抱するしかないです。
一年経てば消費者は原発のことなんか忘れます。中国産高濃度農薬野菜のことを覚えていますか?同じく中国産農薬入り冷凍食品のことを覚えていますか?米国産BSE牛のことを覚えていますか?
一年我慢して、その間に誠実に安全な農産物を作っていればなんとか7割くらいは出荷量が戻ってくると思います。でもそれまでそれくらいの農家がやっていけるのか…。今回の地震で物理的に農業を続けていくことが不可能になった農家もたくさんあります。そしてさらに放射能汚染のレッテル。
先がまったく見えない現状で、どれだけ希望をもって農家を続けていけるのか。
実際に被災された方の苦しみは想像にあまりあります。そう思うと自分だけがつらい思いをしているなんてとても思えませんが、それでもやはり暗い気持ちになります。
せめて早く原発の事故がおさまってくれることを祈ります。